現在において、看護師不足は深刻化しています。
労働力不足による病院倒産についても相次ぎ、医療存続に影響する根が深い問題になっています。
看護師1人を、3つの医療施設で取り合っているような実態です。
一般職の社員募集の倍率と見比べてみても高くなっており、この先も好転する見込みは立っていません。
実際のところ多くの医療機関で看護師が足りなくなっており、「休みの日が取れない」「時間外業務が多すぎる」「夜勤の数が多い」など、長時間就労が大きな問題となっています。
不足する原因は様々な説がありますが、一番大きい原因は労働環境の悪化と言えるでしょう。
労働環境が悪くなると、辞める看護師が増加して労働力不足が進んだ結果、一段と労働環境が悪くなるという負のスパイラルに陥ります。
抜本的な問題は、複雑な医療システムにあると言えます。
医療システムは第2次世界大戦後にベースが作られ、世の中の動きに合わせて少しづつ制度を加え続行してきました。
その結果、違法建築物と同じ様な定まらない制度になっているのが現状です。
しかし、国民生活に根を下ろしている医療システムを根本的に変えるのはとても難しく、間に合わせとしての対策で延命を継続しています。
未来においても看護師不足の状態が続くことから、就職並びに転職には困らないと考えられます。
その一方で、逆に言えばその分だけ看護師の労働環境そのものが悪化していると言えます。
看護師という立場で就職や転職に取り組むケースでは、妥協できる点、譲れない点を認識し、最適な病院を選択することができるよう整えておく必要があるでしょう。